バベルの塔


ここ2、3日、絵を描く際の遠近法を自分なりに研究している。
これがなかなか難しい。
まず、無限に広がる平面に立っているとしよう。
あなたがいる場所から一万キロ離れた場所に、バベルの塔が立っている。
この塔は無限の高さを持っているとしよう。
さて問題。
あなたが凄い視力の持ち主ならば、塔を見ることが出来るだろうが、その塔を上へ上へと辿って見ていくとどうなるだろうか。


答え

自分の頭の真上を見る姿勢になる。


私はこれに関連したある事実に気付くまでにかなりの時間を要した。
それは「立体上の平行線は紙の上では一点に集まる」ということだ。
上の例では視線と塔が平行になっている。
気付いてしまえば当たり前なのだが、これに気付いたときは、一気に思考がクリアになって気持ちよかった。


例えば立方体の各辺は3組の平行線(縦・横・高さ)に分けられる。
よってそれぞれの平行線をのばすと3つの点ができる。
これらの3つの点を利用して描くのが「三点透視図法」と呼ばれるものだ(と思う)。
これらの点を消失点という(のだろう)。


しかし例外がある。さっきの塔の例で、頭を下へ戻して、まっすぐに塔を見てみよう。
すると、塔の左右の輪郭は平行に上下にのびて見えるはずだ。
このとき、立体上の平行線は紙の上でも平行線で表され、消失点は無くなる。
詳しく言うと、視線に垂直な平面(=紙と平行な平面)上の平行線の場合だ。
このような場合の描き方が「二点透視図法」「一点透視図法」と呼ばれる(のだと思う)。
ちなみに、遠近法で有名な(?)ダヴィンチの『最後の晩餐』は一点透視図法だ(と思う)。


また、地面と平行な線が集まる点は必ず地平線上にある。


このように、意外と難しい遠近法。
専門の本とか読めば一発なのかも知れんけど、自分で考えていくのが楽しい。