森博嗣

久しぶりに読書した。ミステリー。殺人事件。

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

それほどおもしろくないという感想だった。
自分の中にあった、森博嗣はおもしろいに違いないという期待が
大きすぎたのかもしれない。
しかし、まだ諦めきれなかった。森博嗣はおもしろくなきゃいけないのだ。
表紙裏の作者紹介によると、「すべてがFになる」で衝撃デビューとある。
これは読んでみなければならない。
衝撃デビューを果たした作品を読んでもぴんと来なかったら
森博嗣は自分には合わない、という結論を下せるとの考えだった。
早速買ってきて読んだ。

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

初めの内はいまいち乗り切れない。ハイテク装置が空想っぽいからか。
舞台となる研究所がSFに出てくる宇宙船みたい。
でも最終的には、おもしろかった。
おもしろいとは、もっと読みたいということだ。
冷静に考えると前に読んだ「冷たい密室と博士たち」も本当はおもしろかったのだ。
おもしろかったからこそ、もう一冊読みたくなったのだ。
変な先入観を持って読んだから、戸惑いを感じていただけだったのである。


巻末の解説によると、「冷たい密室と博士たち」は森博嗣が初めて書いた小説作品で
すべてがFになる」は同じ主人公によるシリーズの四作目として書かれたものらしい。
実際には「すべてが〜」でデビューし、第二弾として「冷たい〜」を出版することになった。
最終的にシリーズは全十作で完結したという。
解説には更に、シリーズ最終作に至ったとき、あなたは作者の策略に驚愕するだろう、とか書かれていて
すべてがFになる」を読み終えた直後で興奮状態にあった私は(私は解説は後で読むタイプです)
「よし、シリーズ全部読もう!」との決意を固めていた。


そういえば「冷たい密室と博士たち」を読んだ後、私は無性にコーラが飲みたくなって
何年かぶりにわざわざコーラを飲んだのだった。
その理由は、主人公がしょっちゅうコーラを飲んでいるのを見たからだ。
自分でも気づかないうちに、思いのほか作品の世界に没入していたらしい。