坊っちゃんで妄想

坊っちゃんはおもしろい。
私は、坊っちゃんを読んでいる間にある妄想をしていた。
この後の展開は、こうなったらおもしろそうだな
という妄想である。


それは、スーパー清タイムである。
坊っちゃんの物語の中には、いくつかの謎が登場する。
私は、それらを解き明かす探偵役が必要だと考えた。
主人公の坊っちゃんには、無理そうだから
他の人でなければならない。
それには、清がいい。
そっちの様子を長い手紙にして送ってくれと
手紙に書いてきた清だ。(これフラグかと思った)
それに従い、手紙に詳しく書いて送って
遠距離安楽椅子探偵というのも悪くないが
その程度では”スーパー”清タイムにはならない。
そもそも清という人物からして、あまり賢い人物ではなさそうだ。
これは、もう清を覚醒させるしかない。
悟空がスーパーサイヤ人になったように
清がスーパー清になって、坊っちゃんのもとへはせ参じるのだ。
坊っちゃんは結局、手紙を返さなかった。(これもフラグかと思った)
そのことにしびれを切らした清が
坊っちゃんに会いに来るのだ。
謎の急成長をとげた状態で。
坊っちゃんの話を聴いて、清はたちどころに謎を解き明かす。
そして、すべての謀略をうちこわし、
すべての間違いと不幸をとりのぞくための作戦を
坊っちゃんにさずけるのだ。
この作戦が成功し、坊っちゃん、清コンビの大勝利で大団円!


とまあ、こんな感じに妄想していたのだ。
しかし、こうして書いてみて気付いたけど
ご都合主義というか、大衆娯楽的というか、水戸黄門的というか、
少し、恥ずかしくなるような妄想だな。
書き始める前は、割と本気だったんだけど
書き終わってみると、どうも安易すぎて、いけないなあ。
清の謎の急成長ってなんだよ。
眠れる獅子かよ。


清の覚醒に無理があるなら、他の人物を探偵役にしてもいいんだけど
とにかく重要なのは、
坊っちゃんの欠けている部分を補う人がいるといいなあってことだ。
坊っちゃん一人では勝てないのは、仕方ないと思う。
そういう意味では、坊っちゃんのお嫁さんというのもいい。
なりゆきでもらってしまった奥さんが、賢い人で・・・という展開。


なにはともあれ、私が坊っちゃんをつまらないと前に書いたのは
このような妄想をしながら読んでいたら、それが実現しなかったという
不満があったからである。
読後感=がっかり
だったから、あのような感想になった。
だが、坊っちゃんの終わり方とか、後半の展開を
まったく否定する気にはなれないのも事実だ。
しばらく時間をおいたら
坊っちゃんはおもしろかった
と言えるようになるのかも知れない。