夢を夢と見抜いた方法

明晰夢を見た。
さらにその後の夢の中で、なぜ夢を夢と気付いたのかを解説していた。
その理由は二つあった。


ひとつは場所がワープするということ。
場所を移動した際に「移動中の記憶」を思い出せない。
どうやって、そこまで来たのか覚えていない。
ここまでなら、現実世界でも起こりうることだ。
例えば、考え事をしながら歩いていたら、いつのまにか知らない道を歩いていたという場合だ。


もうひとつの理由は、外からその建物へやって来た記憶がないということだ。
その建物は学校だった。
私は学校の中にいて、廊下や教室の間をワープしていた。
私は何かの理由で、外に出ようと思って下駄箱へ向かった。
おかしいのはここからだ。
自分の靴がどこにあるべきかという「記憶」がない。
自分の下駄箱の場所を忘れてしまったのだろうか。
しかし、私が外からこの建物へやって来たことは間違いないので
その時のことを思い出せば、靴をどこへ置いたのかわかるはずだった。


この時、私はこれは夢だと断定した。
靴がどうこうという前に、外からこの建物へやって来た記憶がなかったからだ。
このことは前のワープに関することと基本的に同じだが
「靴」という物証があったことが大きかった。


その瞬間、私は教室にワープし、そこにはたくさん人がいた。
ここの記憶はとても鮮明だ。とにかくリアルだった。
普段、夢を夢と気付けないのも無理はない。夢は現実とほとんど変わりない。
普段は夢を見ているつもりがないから、そのことに気付かないが
夢だと気付いた瞬間、それがとても夢とは思えないほどリアルなことにびっくりする。


私は、舞い上がってしまい、そこから後のことは覚えていない。
前々から、夢の中でしたいと思っていたことを、思い出そうとしたような気がするが
夢の中が現実とほとんど変わらないので、あえて夢の中でやる必要はないと判断したようだ。
ちなみに、夢の中でやりたかったこととは、作画や作曲である。
結局、明晰夢は、ほんの短い間で終わってしまったようだ。


明晰夢はおわっても、夢には続きがあった。その部分も覚えている。
私は夢の中でも、上のような話、つまり夢を夢と気付いた理由の解説をしていたのだ。
その私には、それもまた夢だとは思いもよらなかっただろう。
やはり、夢を夢と見抜くのは、難しい。