妄想の中の自分を観察した

妄想の中での僕は
恐れず、傷つくことを知らない。


現実の僕は
恐れ、傷つきやすく、傷つくことを恐れる。


僕の想像力はどうなっているんだろう。
僕は自分の感情を想像することができないのか?


想像と記憶は似ている。つまり、
恐れの感情の記憶を思い出すことと
恐れの感情を想像することとは
よく似ている。


記憶のないこと、つまり経験のないことを想像するのは難しい。
もし、過去の嫌な記憶にふたをしてしまったら、
人は楽観的になる。
なぜなら、嫌な記憶を封じることは、嫌な想像を封じることにつながり
その人の想像の中に、嫌なものが登場しなくなるからだ。


物事の明るい側面ばかりを見ている状態だ。
暗い側面は、見ても忘れてしまう。
あるいは、見て見ぬふりをする。


しかし、想像と現実は違う。
物事には明るい側面と、暗い側面の両方があり
その波はいやおうなく押しよせてくる。


僕は成長したい。強くなりたい。
そのためには、想像の中に暗い側面を取りこまなければならない。
妄想の形はこうあってほしい。
無敵の自分を妄想するなら、その自分は、
弱い感情を持たないロボット兵士ではなく、
弱い感情に立ち向かう生身の戦士であってほしい。


イメージトレーニングとして行ってもいい。
まずは、自分が持つであろうネガティブな感情を
しっかりと想像する。
その後で、その感情に立ち向かい、倒す。


そういえば昔、テレビである人たちの話をみたが
それと似ているかもしれない。
その人たちは、朝起きると、見た夢の話を語りあう。
たとえば子どもが、猛獣に追いかけられる夢を見たと言うと
大人はこうアドバイスする。
次に同じ夢を見たら、逃げずに立ち向かい、猛獣を倒せと。


ネガティブな感情を想像するのが難しければ
過去の記憶を思い出す。
ネガティブな記憶をだ。
そして、そのときの感情を思い出す。
過去のことといえども、また傷つくかもしれない。
傷つくのは嫌だ。